当院の感染予防対策

2019年12月から世界中で爆発的に感染拡大した新型コロナウィルスにより、ほんの数か月の間に日常生活が大きく変化しました。2020年7月現在も流行が終息したとはいえず、地域によってはまだまだ注意が求められている状況です。当院でも引き続き感染症対策を継続していこうと思っております。

〈対応していること〉

スタンダードプリコーションの徹底

患者さんがどんな感染症にかかっているか、すべて把握することは困難です。適切に問診したとしてもその患者さんが感染症にかかっていることを知らなかったり、検査を受けられなかったり、あるいは分かっていても申し出てくれなければ私たちは把握できません。スタンダードプリコーションとは患者さんが感染症を持っているかいないかに関係なく全ての患者さんに対して感染対策を行うことです。

具体的には、

  • ・全ての治療器具を滅菌すること
  • ・グローブは患者ごとに変えること
  • ・1回1回の診療後に診療室を消毒すること
  • ・ゴーグルなどで歯科医師やスタッフが感染しないようにすること

などの対策をしております。

個室診療室

歯科医院は一般的に広いスペースに席がいくつかあり、隣の患者さんと何も隔たりがないことも多いのではないでしょうか。最近は感染対策として席と席の間にカーテンなどを置くことで遮断している先生も増えたと思います。

当院では2018年開業当初から全て診療室を個室にしております。このため患者さん同士の三密を防ぎ、隣の患者さんからの感染などの心配はなく治療を受けることができます。

口腔外バキューム

歯科に限らず医療や介護の現場で現在要注意と言われているのが「エアロゾル」です。エアロゾルとは気体中に浮遊する微小な液体または固体の粒子と周囲の気体の混合体です。エアロゾルを介してウィルス感染する可能性に注目されています。

歯科治療ではエアロゾルの発生自体を防ぐのが残念ながら非常に困難です。なぜなら歯を削る、歯石を取る、歯面清掃をするなどの時に霧のように水を発生させるためほとんどの処置でエアロゾルが発生します。詰め物やかぶせ物を削って調整するときも削りカスによるエアロゾルも発生します。

このエアロゾルの拡散を防ぐのが口腔外バキュームです。いわば強力な掃除機のようなものを患者さんの口元で動作させてエアロゾルを吸い込みます。  当院には診療室は4か所ありますが口腔外バキュームは3台あります。水が拡散する治療などでは必ず口腔外バキュームを使っております。

治療前に体調等の問診と検温

当院ではメールアドレスなどを初診時に登録していただき、治療日前日にメールから注意事項のお知らせをしております。また当日の検温と問診も実施しております。

メンテナンス

このような状況ですから、痛みがないのに歯科医院行くようなことは不要不急ではないかと不安になる方も多いと思います。口や歯の健康状態が新型コロナウィルスの重症化に影響を及ぼすかどうかは現在のところよくわかっていません。

しかしながら、歯周病の原因菌はインフルエンザウィルスなどが体内に侵入しやすくする酵素(プロテアーゼ)を作ると言われており、歯周病はインフルエンザの重症化には関連性があると言われています。また口の中と肺とは気道でつながっており、口の中の衛生状態や歯周病が肺炎に関与することはすでに明らかになっております。

歯の健康が肺炎やウィルス感染と関連性があることから考えて、新型コロナウィルスとも何らかの関連性があると疑うべきであると思います。

当院では今この状況だからこそ歯の清掃や歯周病の治療を受けていただくべきだと思っています。治療が中断している方やしばらく検診に行っていない方はこの機会にこそ歯科を受診してください。

〈対応できないこと〉

呼吸器症状や発熱のある方への緊急性の高い治療

新型コロナウィルスの感染が疑われるが、歯の痛みが強いため緊急で治療を受けたい、という状況もあると思います。このような方に治療をすることも歯科医療の大事な役割であると思いますが、残念ながら当院ではこのような方への治療ができません。

感染が疑われる方の治療をするためには、他の患者さんと出入口を変える、診療室を別に用意する、他の患者さんと通路を変える、などの徹底分離をする必要があります。また診療する歯科医師やスタッフもガウンやN95マスクなどで防護しなければなりません。これらのスタンダードプリコーションの範囲を超えた対応が困難なため、新型コロナウィルスの感染が疑われる方の受診はお断りしております。

発熱や呼吸器症状などの、感染が疑われる方はあらかじめご連絡ください。

電話やインターネットによる診療

電話やインターネットによる問診等で診療するという対応をしている歯科医院もあります。処方箋をFAXやメールなどで送り、薬局で医薬品を受け取る、という流れです。歯科においては電話等では検査が不十分で誤診を招く恐れがあるため、当院では対応する予定はありません。

以下の症状があり、新型コロナウイルス感染症が疑われる方は、
受診前に「帰国者・接触者相談センター」へご相談ください。
  • 全息苦しさ(呼吸困難)、強いだるさ(倦怠感)、高熱等の強い症状のいずれかがある場合
  • 重症化しやすい方(高齢者、糖尿病・心不全・呼吸器疾患(COPD等)等の基礎疾患がある方、透析を受けている方、免疫抑制剤や抗がん剤等を用いている方)で、発熱や咳などの比較的軽い風邪の症状がある場合
  • 上記以外の方で「発熱や咳など比較的軽い風邪の症状」が続く場合(症状が4日以上続く場合は必ず、「強い症状」と思う場合にはすぐに相談を。解熱剤などを飲み続けなければならない方も同様)

帰国者・接触者相談センター TEL.017-765-5280