予防歯科

「歯が痛いから歯医者さんへ」では、歯を削ったり、最悪の場合、歯を抜かなければなならないことも。しかしもっと早期にわかれば、別な方法で治療をすることも可能ですし、そもそも痛い思いをすることもありません。

当クリニックでは、治療が必要な部分はもちろん、そもそも虫歯や歯周病にならないよう、患者さま一人ひとりに合った予防カリキュラムをご提案いたします。

歯を残すことは、生涯にわたって豊かな人生を送る基礎といえます。是非、早めのケアをおすすめします。

予防・定期検診の流れ

  1. カウンセリング

    歯科衛生士が患者様の気になる点や要望をお聞きします。

  2. 口腔内のチェック

    歯や歯ぐきの状態を診て、異常がないかチェックをします。

  3. セルフケアの確認と再検討

    ご自身でも質の高いセルフケアをしていただくために、患者様に合った歯ブラシや補助用具のご紹介や、ブラッシング方法のご提案をいたします。

  4. クリーニング

    通常の歯磨きでは落とすことが出来ない歯石の除去や、歯と歯の間、歯と歯ぐきの隙間に入り込んだ汚れを洗い流します。

(所要時間約60分)

リスクテスト

当クリニックで採用している予防歯科は、アメリカで支持されているCAMBRA(CAries Management By Risk Assessment)という方法です。日本語に訳すと、“リスク評価に基づいた虫歯の管理”ということになります。

どんな治療にも、まずは状況を正しく把握するための検査と診断が必要であるように、予防もまたリスクの検査とリスクの診断を行ったうえで、どのように予防するかを決定する必要があります。

患者様それぞれの口の中の状態、生活習慣、細菌の影響などを総合し、エクストリームリスク、ハイリスク、ミドルリスク、ローリスクの4つに分類してそれぞれに合った予防法をご提案いたします。

CAMBRAとは

メンテナンス

治療中や治療後によく、治療した歯があとどのくらい持つのか質問を受けます。残念ながらそれに対する明確な答えはありません。ですができるだけ持たせよ うと思うのであれば今までのセルフケアの問題点を改善することや、私たちがそのお手伝いをするためにメンテナンスに通っていただくことが対策として挙げら れます。

メンテナンスとは治療が終わった後に3~6か月ごとに、定期検査、歯石除去、プラーク付着状況のチェック、場合によってはレントゲン検査、再リスク検査など を行い、健康維持するための処置とアドバイスをすることです。

歯磨きさえすれば、ということはありません。特に虫歯や歯周病になって来院した人が治療終了後も今まで通りの歯磨き習慣で再発を防げるとはかぎりません。 これからの生活習慣を改善する必要があるのです。歯をできるだけ長持ちさせるためにぜひメンテナンスにおこしください。

セルフケア用品

デンタルフロス

歯と歯の間は緊密に接触していて、通常の歯ブラシではなかなか届かないことがほとんどです。糸状の清掃器具であるデンタルフロスを使うことで歯と歯の間もきれいにすることができます。当院では取っ手のないものを切って使うタイプのものをお勧めしています。

歯間ブラシ

こちらも歯と歯の間をきれいにするための器具ですが、糸状ではありません。このため全ての人が使うというよりは歯ぐきが下がってきた人が歯周病予防のために使うことが多いです。デンタルフロスより使いやすいことも特徴です。

クリンプロはみがきペースト

再石灰化とは歯の成分であるリンやカルシウムを唾液から歯に取り込む作用です。再石灰化が強く働くことにより虫歯を防ぐ力が期待できます。

これまでフッ素を歯磨き粉の中に含めることで再石灰化を促進することが分かっています。多くの製品はフッ素を含有しています。

当院で虫歯になるリスクの高い人に特に勧めているのはフッ素だけでなくリンとカルシウムを同時に含んだクリンプロはみがきペーストです。日本で販売されている多くの製品はフッ素だけ、またはリンとカルシウムだけのもので、フッ素とリンとカルシウムを含むものは他にありません。

コンクールジェルコートF

この製品の特長は、①虫歯の予防に最適なフッ素を含んでいること、②殺菌剤としてクロルヘキシジンが含まれていること、③研磨剤が含まれていないことです。

通常歯の表面はエナメル質という丈夫な構造でできていますが、歯周病で歯ぐきが下がるとエナメル質でおおわれていない歯の根元が露出してしまいます。この部分は研磨剤によってすり減りやすいため研磨剤の入ってない歯磨剤を使うことをお勧めします。

クロルヘキシジンには殺菌作用があるため、その点からも虫歯と歯周病を両方防ぎたい方にはお勧めしています。

チェックアップ
「フッ化ナトリウム0.1%洗口液【ライオン】」

フッ素を含んだ洗口液です。寝る前などにうがい薬として使うことで長い時間作用して虫歯を予防するために働きます。(液でうがいした後は水でうがいしないようにしてください)

オーラルクール

コンクールジェルコートFにも含まれているクロルヘキシジンが入っているうがい薬です。殺菌作用が期待できるので虫歯の細菌性のリスクが高い方や歯周病の気になる方にお勧めです。寝る前や朝食後に使います。1か月のうち7日間だけ使っても細菌が減少するので十分効果が持続します。

オーラルクールPHバランサー

重曹を使った洗口液です。食事直後(歯磨き前)に使うことで口の中を中性に保つことができます。唾液分泌が減少している人にはお勧めです。アメリカの歯科医師は重曹液でうがいすることをよく勧めているそうですが、市販の重曹(ベーキングパウダー)そのものを水に溶かしてうがいすると味が苦いのでなかなか続かないのではないでしょうか・・・。 オーラルPHバランサーはキシリトールも含まれており、甘く清涼のある味なので食後の習慣としてぜひ継続してみてください。

当院ではリスクテストを皆さんに実施しており、その結果をみて皆さんの弱点を補うためにそれぞれの方に何を使っていただいた方がいいのかを検討したうえで紹介しております。ご来院の際はリスクテストもぜひ受診してみてください。